金属くず買取の本人確認書類。写しの保存で間違えやすいところ

法令と義務

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金属くずを買い受けるとき、窓口で「どの書類なら受け付けてよいのか」「写しはどこまで残すのか」で 迷う場面があります。ここでは使える書類と、記録に残す項目を整理します。

買取の現場には、2 つの記録義務が同時に掛かります

古物営業法に加えて、2026 年 6 月 1 日に金属盗対策法(盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律)が 全面施行されました。銅など政令で定める金属で構成された金属くずを買い受ける場合、 古物営業法の帳簿とは別に、本人確認記録が必要になります。

古物営業法 金属盗対策法
対象 古物全般 銅など政令で定める金属で構成された金属くず
書類の写し 帳簿に種類と番号を記載 記録に写しを添付
保存期間 帳簿の最終の記載をした日から 3 年 買受けから 3 年
届出・許可 古物商許可 営業所ごとに公安委員会へ届出

いちばん大きな違いは書類の写しです。古物営業法では帳簿に「運転免許証・第 XXXXX 号」と 書けば足りていたところ、金属盗対策法では書類そのものの写しを記録に添付して保存します。

品目と金額で場合分けしないほうが安全です

2025 年 10 月 1 日の古物営業法施行規則の改正で、電線・金属製のグレーチング・エアコンの室外機・ 電気温水機器のヒートポンプの 4 品目は、対価が 1 万円未満でも本人確認の義務が免除されなくなりました。

対象かどうかを品目と金額で判断しようとすると、現場では必ず迷いが出ます。 すべての取引を厳しい側の要件で記録するほうが、結果として手間が少なくなります。

→ 詳しくは室外機・電線・グレーチング・ヒートポンプは、1 万円未満でも本人確認が要ります

なお、金属盗対策法の特定金属くず買受業の届出は、既に営業している事業者の期限が 2026 年 8 月 31 日です。→ 特定金属くず買受業の届出は 2026 年 8 月 31 日まで

現場でよく使う本人確認書類

条件は、顔写真付きで、氏名・住所・年齢が確認できることです。 実際の窓口でよく出てくるのは次の 6 種類です(この 6 つに限られるという意味ではありません。 条件を満たす書類かどうか迷うものが出てきたら、所轄にご確認ください)。

書類 保存する面 気をつけるところ
運転免許証 表・裏 裏面に記載事項の変更が追記されていることがある
運転経歴証明書 表・裏 免許を返納された方が持っている
マイナンバーカード 表面のみ 裏面の個人番号は取り込まない(下記)
在留カード 表・裏
特別永住者証明書 表・裏
パスポート(旅券) 該当ページ 住所欄が無いものがある(下記)

マイナンバーカードは裏面を写さない

マイナンバーカードの裏面には個人番号(マイナンバー)が印刷されています。 番号法では、個人番号を扱えるのは社会保障・税・災害対策として法律に列挙された事務に 限られます。買取の本人確認はそこに入らないため、裏面は写さず、記録にも残しません

⚠️ 制限されているのは保管だけではありません。 番号法は、必要のない場面で 他人に個人番号の提供を求めること自体も制限しています。 つまり「裏面も見せてください」と言うこと自体を避ける必要があります。

コピー機やスキャナに両面まとめて通す運用にしていると、裏面が一緒に取り込まれます。 表面だけを残す手順にしておくか、裏面を取り込まない仕組みを使ってください。

記号番号が埋められないときは、別の書類をお願いする

後述する本人確認記録の項目には「本人確認書類の名称・記号番号等」があります。 マイナンバーカードの記号番号は裏面にあるため、表面だけを扱う運用では埋まりません。

⚠️ ここで裏面を取り込んで埋める、という解決に倒さないでください。 記号番号が必要な場面では、運転免許証など別の書類の提示をお願いするのが 正しい向きです。番号法の制限のほうが優先されます。

パスポートは住所欄が無いことがあります

2020 年 2 月以降に発行された日本のパスポートには、所持人記入欄(住所を書く欄)がありません。 住所が確認できないため、パスポート 1 枚では本人確認が完了しません。 住所を確認できる別の書類とあわせて確認する必要があります。

法人のお客様の場合

法人から買い受ける場合は、法人の本人特定事項(登記事項証明書・印鑑登録証明書などで確認)に加えて、 その取引の任に当たっている自然人の本人確認も必要です。

「法人から買受けを行う場合は、法人の本人特定事項に加え、その取引の任に当たっている 自然人の本人特定事項の本人確認も必要となります。」(愛知県警察)

社員の方が来られたときに、会社の謄本だけを確認して終わりにしないよう注意してください。

本人確認記録に残す項目

金属盗対策法が求める項目は次のとおりです(愛知県警察の公表資料より)。

  1. 本人確認を行った者の氏名(対応したスタッフ)
  2. 本人確認記録の作成者の氏名
  3. 買受けの相手方の本人特定事項(氏名・住所・生年月日)
  4. 本人特定事項の確認方法
  5. 本人確認書類の名称・記号番号等
  6. 提示を受けた日付
  7. 法人の場合は取引担当者(自然人)の本人特定事項
  8. 本人確認書類の写し(添付)

1 と 2 は、お客様ではなく自社側の記録です。誰が確認し、誰が記録を作ったかを残します。 書類の写しだけを集めていると、この 2 つが抜けたままになりがちです。

記録は「直ちに作成」し、買受けの行われた日から 3 年間保存します。

本人確認を省略できる場合と、それでも毎回確認する理由

金属盗対策法には例外が 2 つあります。

  1. 過去に買受けを行ったことがある者からの買受けで、代金の支払いをその者の口座への振込により行う場合
  2. 特定金属くずを自ら輸入する場合

1 は「常連さんへの振込払いなら省ける」と読めますが、運用に落とすと難しさがあります。 本人確認は取引を作るより前に行うので、確認の時点では支払方法がまだ決まっていないことが多いためです。 現金でお支払いになった時点で、省略の条件からは外れます。

実務としては、毎回確認して写しを残すほうが安全です。 HakaLog も、この省略を自動で判定する作りにはしていません(既定は毎回保存です)。

迷ったら所轄の警察署へ

ここに書いた内容は各県警察が公表している資料をもとにした要約です。 運用の細かいところは所轄によって案内が異なることがあります。 判断に迷う取引があれば、所轄の警察署に確認するのがいちばん確実です。

出典

本ページに記載した法令の内容は2026 年 8 月時点のものです。条文と規則が正本であり、 本ページはその要約にすぎません。実際の運用は所轄の警察署にご確認ください。

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